研究設備
白金族元素前処理室
ORCeNGで精力的に実施しているレニウム-オスミウム同位体分析は、地球上で最も稀な元素であるレニウムとオスミウムを対象としています。それらの試料中の典型的な濃度は数十ppt(parts per trillion:1兆分の1)という超低濃度のため、実験中の試料からの散逸や外部からの汚染に細心の注意を払う必要があります。
ORCeNGの白金族元素前処理室は、レニウム-オスミウム同位体分析をはじめとした極微量元素同位体分析専用に設計されているため、取扱いの難しい極微量元素の処理を高効率かつ安全に実施することができます。また、適切に設計・コントロールされたエアフロ―と、3台も備えられたクリーンドラフトによって、外部からの汚染を最小限に抑えつつ、複数人での異なる内容の同時作業が可能です。
本実験室では、レニウム-オスミウム同位体分析だけでなく、ルテチウム-ハフニウム同位体分析や、銀同位体分析など、各種微量元素同位体分析のための前処理を行っています。
ドラフト等実験設備:株式会社ダルトン
エアフロー施工:東京冷機工業株式会社
関連論文
Ohta, J., Nozaki, T., Sato, H., Ashida, K., and Kato, Y. Precise and accurate analytical method for determination of osmium isotope ratios at the 1–15 pg level by MC-ICP-MS equipped with sparging introduction and high-sensitivity discrete dynode-type ion-counting detectors. Joural of Analytical Atomic Spectrometry, accepted.