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AI を活用した海底熱水鉱床の探査

沖縄諸島や伊豆・小笠原諸島周辺の海底では,海底下のマグマで熱せられた高温の熱水が噴出していることが知られています.このような海底熱水の噴出孔付近には様々な金属が析出することから「海底熱水鉱床」と呼ばれ,将来の資源として注目されています.

 

海水中では電磁波が減衰してしまうため,海底資源の探査にはよく音波が用いられます.海底熱水鉱床の探査にも,マルチビーム音響測深機 (multi-beam echo sounder, MBES) の利用が有効であることが,中村招聘研究員らの研究によって明らかになっています.

↑海底熱水鉱床の直上で取得した音響画像の例

熱水活動のシグナルは海底面から煙突のように立ち昇っている


現在は,画像中に熱水活動のシグナルが存在するのか,もし存在するならどちらの方向なのか,といった判断を人間がしています.このプロセスを機械に任せることができれば,AUV (Autonomous Underwater Vehicle) や ASV (Autonomous Surface Vehicle) 等の無人調査船を活用することで,探査コストが大幅に削減できると期待されます.そこで,エコー画像から海底熱水活動のシグナルを自動で検知する AI モデルの検討を行っています.


↑訓練された物体検出モデルによる検出例


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音波を用いた海底資源の探査

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[関連論文(外部ページ)]

Mimura et al. (2023) Automated Detection of Hydrothermal Emission Signatures from Multi-Beam Echo Sounder Images Using Deep Learning.  IEEE Journal of Selected Topics in Applied Earth Observations and Remote Sensing .

Nakamura et al. (2015) Water column imaging with multibeam echo-sounding in the mid-Okinawa Trough: Implications for distribution of deep-sea hydrothermal vent sites and the cause of acoustic water column anomaly. Geochemical Journal.