プロジェクト
レアアース泥
深層学習を用いた魚類の歯化石「イクチオリス」の自動検出
深海の泥にレアアースが濃集するという現象は、地球の歴史の中で「いつ」生じたのでしょうか?
深海堆積物の堆積年代を調べることは、レアアース泥の形成メカニズムを明らかにし、さらには分布を予測するうえで非常に重要な手がかりになると考えられています。
そして、深海の泥(遠洋性粘土)の堆積年代を制約する化石として1970年代から研究されてきたのが、魚類の歯や鱗の微化石「イクチオリス」(写真)です。
出典:Ohta et al. (2020) Scientific Reports
しかし、従来の研究手法では、堆積物から化石を取り出して、しかもその種類を判別するのに膨大な手間がかかることが研究の妨げとなっていました。
この課題を克服するため、深層学習(AI)を用いて化石の観察を自動化する研究をしています。
Mimura et al. (2022) では、顕微鏡画像から粒子の輪郭を推定するモデルと、切り抜かれた個々の粒子画像からそのクラスを予測するモデルを組み合わせて、様々な粒子を含むスライド画像から歯の化石だけを検出するシステムを確立しました。
今後は、検出された化石をより細かく分類することや、大量の画像データに基づいてより正確に年代を決定できるシステムの確立を目指します。