プロジェクト
プチスポットと海底鉱物資源
世界中の海底では、多くの火山が活動しています。
プチスポットとは、今まで知られていた火山発生のメカニズムのどれにも当てはまらない新種の火山で、プレートが曲がって割れることによって、そのときにできた亀裂に沿ってプレートの下のマグマが染み出して噴火するタイプの小さな火山です。ORCeNGのメンバーは東北大学と共同で、なぜプチスポットのようなタイプの火山活動が起こるのか?プレートの下になぜマグマがあるのか?を解明するために研究を続けています。
↑プチスポットの発生モデル
ORCeNGメンバーが主導した海洋調査の結果、プチスポットと海底鉱物資源の興味深い関連性が見えてきました。
レアアース泥やマンガンノジュールが多く分布する南鳥島の周辺にも、プチスポットが存在します。南鳥島の南東の約10,000 km2の範囲の中に複数の小ささ火山活動の痕跡が見つかり、この海域一帯に点在する海丘群がプチスポットのクラスターであることが分かりました。このプチスポットクラスターはマンガンノジュール密集域の北限に位置しており、そのさらに北にはマンガンノジュールはほとんど分布していません。マンガンノジュール密集域の形成には、南極からの海洋深層水の流れが関与しています。そのことを踏まえると、プチスポットクラスターが深層水の流れを妨げ、ひいてはマンガンノジュールの形成に影響を与えている可能性があります。
一方で、南鳥島プチスポットでは、溶岩の表面が厚くマンガンクラストに覆われていることもあります。これは、プチスポットの火山活動(マグマの噴火)によって新たに作られた山が、マンガンクラストを生み出す場となったことを物語っています。プチスポットは、水深5,000〜5,500 mの海底に存在します。そのような深海で厚いマンガンクラストが形成されているという報告は、今までほとんどありませんでした。
プチスポットが、マンガンノジュールやマンガンクラストの形成の謎を解き明かす鍵を握っているかも知れません。
↑プチスポット溶岩の表面に発達したマンガンクラスト
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次世代海洋資源研究センター 南鳥島周辺の深海底で火山を発見!