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コラム2022.12.16

「レアアース泥開発推進コンソーシアム」第8年度活動報告会が開催されました

12月16日(金)に、本学も参画する「レアアース泥開発推進コンソーシアム」の第8年度活動報告会が開催されました。

8年目となる今年度の活動報告会は、2年ぶりに東京大学安田講堂において対面での開催となりました。
 

「レアアース泥開発推進コンソーシアム」は、センターの所長であり、東京大学教授も兼務する加藤泰浩所長を座長とし、南鳥島レアアース泥の開発実現を目指して、2014年11月に設立されました。

設立されて今年で8年が経過し、約40の企業と公的機関、大学が参加して、非常に活発な活動を展開しています。

 

本コンソーシアムは産官学のメンバーが連携してレアアース泥の開発技術を確立することで、レアアースの安定供給に貢献すること、そしてレアアースの新たな需要開拓を通じて日本の産業を活性化することを目指し、「部会1:探査・モニタリング・環境」、「部会2;採泥・揚泥」、「部会3:選鉱・製錬」、「部会4:泥処理」、「部会5:新素材」という5つの部会で、検討を進めています。

 

今年度の活動報告会では、招待講演として元総務大臣・衆議院議員である新藤義孝先生より「日本の明るい未来☆海は資源の宝庫!」、特別講演として経済産業省 資源エネルギー庁の有馬伸明鉱物資源課長より「経済安全保障と海洋鉱物資源に対する国の方針について」のご講演を賜りました。

 

また、座長の加藤所長より「第8年度の全体報告」と「今後の進め方」、部会1リーダーの中村謙太郎東大准教授(本学の招聘研究員)より「環境負荷を低減した海底資源開発に関する取り組み」、部会2リーダーの高木周東大教授より「産総研200m立型水槽を用いた200m級エアリフトポンプ揚泥実験」、部会3リーダーの高谷雄太郎東大准教授および三井金属鉱業の藤井昇顧問より「レアアース泥を資源として活用するための基礎技術 (分離抽出) の検討と確立」と「激変する世界の資源事情」、部会4リーダーの北詰昌樹東工大名誉教授より「残泥の有効利用」、部会5リーダーの長谷川美貴青大教授より「日本の産業構造にマッチしたレアアース活用法の探索と新規産業の創出」について、それぞれ報告を行いました。

 

本活動報告会は、本センターのメンバーはもちろん、様々な大学や企業、政府機関の方々、さらにレアアース泥にご興味を持たれる一般の皆様など多くの参加をいただき、盛会裏に終えることができました。

昨今の目まぐるしく変わる国際情勢と、ますます予断を許さなくなりつつあるレアアース・レアメタル資源の獲得競争の中、私たちは南鳥島レアアース泥開発をベースとする新たなサプライチェーンを構築することで、我が国の経済安全保障を積極的に推進していきたいと考えています。


加藤所長の講演の様子


ご講演を賜った新藤義孝先生

この記事を書いた人
藤永 公一郎 (上席研究員)
Koichiro Fujinaga

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