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ダイアリー2022.08.24

バイアル洗浄中です

お盆休みも終わり、外来研究として実験に来る学生さんが増えてきました。

私たち研究員は、学生の指導をするだけでなく暇を見つけては実験で使うバイアル(試料の溶液などを入れる容器)を洗浄しています。洗浄といっても、洗剤でゴシゴシ洗うわけではありません。

私たちが分析対象としている元素、例えばレニウム(Re)やオスミウム(Os)は試料中に極微量にしか含まれていません。そのため、良い実験結果を得るためには、実験に使うバイアルや試薬からそれらの元素が混入しないように細心の注意を払って処理する必要があります。例えばRe-Os分析の場合、バイアルについては酸を入れて元素を溶かし出し、さらに加熱することでOsを揮発させてしまいます。試料の分解や純化に用いる酸についても、加熱して純化したり、蒸留したものを使用します。その甲斐があり、センターで行っている実験のブランク(試料を入れずに分析した結果のこと、作業中に混入した元素の量がわかる)の値はとても低く、それにより非常に濃度の薄い試料や少ない量の試料でも分析することが可能になっています。

この洗浄に関する内容は、こちらの論文で発表されています。

この記事を書いた人
矢野 萌生 (主任研究員)
Moei Yano

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