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基盤研究(A)「地質・物理・化学・統計の統合解析による海底Fe-Mn酸化物探査手法の確立」(2021年度ー2025年度)

研究代表者:町田嗣樹


現在の海洋底には、産業上重要な金属元素(レアメタル)が濃集する領域が数多く存在します。ただし、広大かつ未知の領域が多い海洋底において、レアメタル資源開発に適した有望海域を発見し絞り込むための探査手法は未だに開発されていません。

この研究の目的は、新たなレアメタル資源として注目されるFe–Mn酸化物(マンガンノジュールとマンガンクラスト)の効率的な探査手法を確立することです。


近年のORCeNGの調査により明らかとなった、南鳥島周辺の日本の排他的経済水域内に広く分布するFe–Mn酸化物に対して、レアメタル濃集の鍵を握るFe–Mn酸化物の化学的・鉱物学的特徴を、数理統計解析(独立成分分析:ICA)を基盤として多角的・体系的・定量的に明らかにします。その情報を、既知のFe–Mn酸化物の分布状況(地質学的特徴)と内部の層構造(物理的特徴)とを統合して解析し、有望海域を具体的に見出すことを通して、革新的・効率的なレアメタル資源探査手法を提案します。